在宅勤務(WFH)の話

在宅勤務(WFH・Work from Home)が始まり出した2020年3月頃はシンガポールから日本への本帰国が決まっていたこともあって、シンガポールでは一度も実施せず。
帰国後に出向した会社ではGW前後に1週間と8月頃に1週間した程度でほとんど実施せず。

 

ちなみにその2週間程度のWFHを経験して「あ、私にはWFHは向いていないな」と悟った笑。

 

理由は、家に求めるものが違うから。
結構、場所と目的を一致させたがる傾向があるようで、仕事は基本的に会社でやるもの=会社は仕事をする場所、家は仕事をしない場所というマインドセットになってた。

 

どうしても会社に入れないけど仕事をしないといけない場合はスタバだったり、24時間営業のファミレスなんかで仕事をしていた。つまり会社・家以外のThird Placeとしてのマインドセットだ。

 

それが強制的に家で仕事しろ、と言われたりしたもんだから、戸惑いまくり。というか、「コラ!人ん家を、仕事で汚すな」という気分笑。
もちろん、家の構造的に自室の声がリビングに丸聞こえだったりする環境の問題もあったけど、それ以外はPCスペックもネット回線も不満のないレベルで仕事する道具には不足なし。

それでも家に仕事を持ち込んでいるという感覚が気に入らなかった。

 

ところが昨年4月に転勤した際に、みんな当たり前のようにWFH。
週に1回もしくは2回程度はWFHしろという。

 

当然のことながら最初の1ヶ月くらいは一切WFHなんかせずに、オール出社してた笑
まぁさすがにリーダーが実践しないわけにはいかないだろうと思って、やってみたところ、意外に心理的抵抗がなくなっていることに気づいた。
数回実施すると、まったく心理的抵抗がなくなった。

 

これはどういうことなんだろうか?と考察してみると、単身赴任であることが大きいと思っている。

単身赴任ゆえに自宅には、衣食住のすべての機能が揃っている。台所の横に机があり、机の後ろにはコタツがあり、コタツの隣には本棚とベッドがあり、ベッドの向かいにはエアロバイクがあり、エアロバイクの向かいにはタンスがある。自分の中で生活に必要なものがすべて揃っていて、かつ自分以外のものが何もない空間といっても良い。
こうなると、なんだか仕分けをする必要がなくなってくる気がしてくる。つまり、今までは家という一つの箱に、自分用・家族用、家用・仕事用という区切り線を設けていたのが、その線がなくなった気がするのだ。

だとすると、あえて家用・仕事用の仕切り線を単身赴任宅に持ち込まなくても気にならなくなったということなんじゃないかな、と自分の心をのぞき込んでみる。

 

もう一つは業務の内容。

新規事業を考えるミッションはある程度まで、紙とペンだけでもできる。会社に行かなくてもできるし、資料作りとディスカッションの間を行ったり来たりする仕事が多く、在宅向きでもある。

 

考えることが仕事なので、通勤時間を考える時間にあてた方が良いと思えるときもある。実際にWFHの時は通勤時間分を有意義に使おうと思っている。もちろん、睡眠の延長という効果も大きい。

また、根詰めて考えた後には気分転換も重要だけど、気分転換に自分でコーヒーを煎れたりできるのもありがたい使い方。

 

最後の理由は首都圏特有の交通事情。

首都圏の交通網は以前住んでいたときよりもさらに繋がっている。宇都宮から熱海あたりまで在来線で行けたりするわけだから笑。

なので、どこか遠くで発生した人身事故のせいで電車が来ないということもありうるし、最近はやたらと緊急停止ボタンが押されている気もする。なので通勤時に電車の中で待たされるリスクが前より増えたと思う。一応、リスク管理として会社まで複数の路線で通える場所を住処として選んだけど、どうしても出社しないといけない日はそれほど多くない。

先日は大寒波が来るという理由で自分だけでなくチームメンバーにWFHをお願いしたけど、こんな感じで大雨とかでもWFHに切り替えていたりする。だって大雨で出社して濡れて風邪引くリスクと比較したら、さほど出社に価値がないことがわかる。

 

こんな感じで、WFHの有用性を今更ながら実感しているのだ。

もちろんデメリットもあって、それには今度触れるとして、合理的思考かつ自立できている人には良い制度だろう。

うまく使って生産性向上だな。